最後に向かったのは、キャバクラやガールズバーが集まる下通りのアーケード周辺。平日でも人通りは多く酔客もあちこちにいた。歩いていると、コートを羽織って寒そうにしている女の子からビラを渡されたが、見れば60分1千円という破格の料金がデカデカと記載されている。「ガールズバーどうですか~?」と愛嬌を振りまく彼女に、客の入りを聞いてみると、「お客さん結構多いですよ~。週末とかいっぱいいっぱいで断ったりもあるし。うちは1千円からだから安いし、県外の人みんな料金に驚くんですよね~。さっきお店に行った人は栃木からって言ってましたよ。どこから来たんですか?」と彼女。熊本にいる本誌記者の知人も、これまで週末は福岡の中洲によく飲みに行っていたが、地震後は地元で飲むようにしていると言っていた。熊本県民の地元愛を感じるエピソードだが、県外からのお客に合わせてこうした地元からのお客も多く入り、飲み屋街も大いに盛り上がっているようだ。筆者も1千円という料金に、そして女の子の笑顔に釣られて、熊本の夜を少しばかり楽しむことにした。これから迎えるGW、熊本に行く予定のある人はぜひ歓楽街でも楽しんでもらいたい。
冒頭で熊本地震から早いもので1年と書いたが、もちろん被災した県民にとっては長く厳しい日々だったであろうし、現在も住居を失い仮設住宅での生活を余儀なくされている人も多いだろう。3月22日に発表された熊本市長からのメッセージ動画には、復興を支援してくれた人々への感謝や何気ない日常の尊さ、人と人との繋がりの大切さが語られ、
'17年を“復興元年"と位置づけたさまざまな復興への取り組みが発表された。5月には
熊本のシンボルである熊本城の天守閣改修工事に着手し、'19年1月頃まで城はシートに覆われてその姿を見ることができなくなる。しかし、国内のみならず海外からも多くの人が集まるであろう、熊本でも開催予定の'19年秋のラグビーW杯。その頃にはシートもはがれ、熊本城天守閣を多くの人が目にするはずだ。その時を楽しみに待つとともに、熊本の早期復興を願うばかりである。